コミュニティ運営者から見た、Substackの強みと足りないところ
「Substackって、コミュニティとしても機能するの?」 「Discordとの違いって何?」「両方使うべき?」 Substackは、コミュニティを兼ねた発信プラットフォームです。でも、Discordのようなコミュニティと、完全に同じではあ

「Substackって、コミュニティとしても機能するの?」
「Discordとの違いって何?」「両方使うべき?」
Substackは、コミュニティを兼ねた発信プラットフォームです。でも、Discordのようなコミュニティと、完全に同じではありません。
ぼくは、複数のオンラインコミュニティを運営しています。自分で立ち上げた縁紡(250名規模)のオーナーをしながら、数十〜8,000人規模のコミュニティでマネージャーとしても活動しています。
その立場で気づいたのは、Substackには「コミュニティ機能」はあるけど、Discord的なコミュニティとは本質的に違うということ。
この記事では、コミュニティ運営者の視点から、Substackの強み3つと足りないところ3つを、両面から整理してみます。
運営しているコミュニティとSubstack
最初に、ぼくの立場を整理させてください。
ぼくが運営している複数のコミュニティ
ぼくは現在、複数のオンラインコミュニティに関わっています。
・縁紡:自分で立ち上げたコミュニティ。250名規模。オーナーとして運営
・AIらぼ・らむる:数十〜約300名規模。マネージャーとして関わる
・明鏡:8,300人規模。マネージャーとして活動
小規模から大規模まで、異なる規模・性質のコミュニティで運営や支援をしてきました。コミュニティ運営は、ぼくの本業の一つです。
そして、それらのコミュニティのベース基盤はDiscordです。Discordは、コミュニティ運営に最も適したツールとして、日本でも広く使われています。
Substackも"コミュニティ機能"を持つプラットフォーム
そんな立場でSubstackに触れてみて、最初に感じたのは「これってコミュニティの要素が入ってる」ということでした。
Substackには、いわゆるブログやメルマガにはない機能があります。
・コメント:記事ごとに読者と書き手が対話できる
・Chat:書き手と購読者でグループチャットができる
・Notes:Substack内のSNSのような場所で気軽に投稿できる
・Recommendations:書き手同士が推薦し合う仕組み
・Live配信:リアルタイムで読者とつながれる
これらは全部、「書き手と読者の関係を深める」「読者同士をつなぐ」ためのコミュニティ的な機能です。
両方を運営しているからこそ見える視点
だからこそ、コミュニティ運営者の視点でSubstackを見ると、Discordコミュニティと共通する部分と、根本的に違う部分が両方見えてきます。
それぞれに強みと特性がある前提で、観察した結果を共有します。
Substackの強み①|届く感が組み込まれている
ここから、Substackの強みを3つ整理します。最初は、「コミュニティ運営で大事だ」と感じている、"届く感"の話から。
メールで確実に届く構造
ぼくが運営者として大切にしている感覚です。「自分の発信が、ちゃんと誰かに届いている」という手応えがあるか、ないか。コミュニティが続くかどうかを大きく左右します。
Substackには、「届く感」が構造として組み込まれています。
書き手が記事を公開すると、購読者全員のメール受信箱に届く。アルゴリズムによる選別がなく、SNSの拡散頼みでもなく、確実に届く。
これは、いまの時代において希少な価値です。
アルゴリズムに左右されない安心感
XやInstagramでは、アルゴリズムが「誰の発信を誰に届けるか」を決めます。フォロワーが多くても、アルゴリズム次第で発信が届かない時代です。
ぼくもXで発信していますが、最近は「届かない」感覚が強くなっています。書いても、フォロワー全員に届くわけじゃない。
Substackはこの構造から自由です。「書けば、フォロワーに確実に届く」というシンプルさが、書き手のモチベーションを支えてくれます。
Discordとの違い(プッシュ通知の質)
Discordと比較してみます。
Discordにも、もちろん通知機能はあります。誰かが投稿したり、@メンションされたりすると、通知が来る。
ただ、Discordの通知は「リアルタイムで流れていく」性質があります。スマホを見たときに通知が来ていても、その後に大量のメッセージが流れて、見逃してしまうことがある。
Substackのメールは違います。受信箱に残り続ける。読みたい時に開ける。読まないまま流れていかない。
「届く感」という点では、Substackの方が手応えのある届き方をします。これは、コミュニティ運営の経験からも実感する強みです。
Substackの強み②|いる感のベースが用意されている
次は、ぼくがコミュニティで大事にしているもう一つの感覚、「いる感」の話です。
書き手と読者の関係がコメントとChatで近い
「いる感」というのは、「自分はここに存在を認められている」「自分のことを知ってくれている人がいる」と感じられる感覚です。これがあるコミュニティは続きます。
Substackでは、書き手と読者がコメント欄やChat機能で直接対話できます。
- 記事に対するコメントで、書き手と読者がやり取り
- Chat機能で、購読者だけのグループ会話
- DM(ダイレクトメッセージ)で、個別のやり取りも可能
X・Instagramと違って、読者と書き手の距離が構造的に近いんです。
Notesで日常的な対話ができる
加えて、Notesという短文投稿の機能があります。
書き手が日常的に短いつぶやきを投稿して、読者がコメントや引用リスタックで反応する。書き手と読者の日常的な接点が、ここで生まれます。
これは、ブログやメルマガには本来なかった機能です。「読み手と書き手」の関係を超えて、「人と人」として接点が持てる設計になっています。
Discordほど密じゃないけど、ベースはある
Substackの「いる感」は、Discordほど密ではありません。
Discordでは、メンバー同士がリアルタイムで雑談したり、複数のチャンネルで多様な話題を共有したり、ボイスチャットで顔を合わせたりできます。「ずっとそこにいる」感覚が、Discordの方が圧倒的に強い。
Substackは、あくまで「ベースとしての"いる感"」です。深いコミュニティ感は、Substackだけでは作りにくい。
でも、ゼロからベースを作るハードルを、Substackは大きく下げてくれます。コミュニティを持ちたい個人発信者にとって、十分な強みです。
Substackの強み③|「動いている感」がある
3つ目は、ブロガー記事には書かなかった新しい視点です。
書き手の発信が定期的に流れてくる
Substackを使っていて気づいたのは、「動いている感」があるということ。
書き手が定期的に記事を投稿する。Notesで日常を発信する。新しい書き手が参入してくる。読者から反応が返ってくる。
プラットフォーム全体で、常に何か動いている空気があります。
メルマガは「送ってもらうのを待つ場所」ですが、Substackは「動いている場所に自分も参加している」感覚があります。
Notesで他の書き手の動きも見える
Notesタイムラインを開くと、フォローしている書き手たちの日常的な発信が流れてきます。
「いま、この人がこんなことを考えている」
「今日はこの話題が盛り上がっている」
そんな空気が、リアルタイムで見える。
これは、X(旧Twitter)のタイムラインに近い感覚ですが、煽りや炎上が少なく、書き手たちの発信が並んでいます。
「場が動いている」という空気感
コミュニティ運営の経験から言うと、場が動いているのは、メンバーの満足度を大きく左右します。
参加感があると、人は続けます。
Substackは、書き手・読者が参加感を持てる設計になっています。
メルマガとSNSのいいとこ取りをした、新しい体験です。
足りないところ①|リアルタイム性が弱い
コミュニティ運営者として感じるSubstackの足りないところを3つ整理します。最初は、リアルタイム性の話から。
Discordは「いま、誰かがいる」感覚があるけど、Substackは違う
Discordを開くと、「いま、誰かがオンラインでいる」か分かります。
(設定で変えられます)
サイドバーにオンライン中のメンバーが表示されていて、自分が投稿すれば、すぐに誰かが反応してくれる可能性が高い。
コミュニティ運営における「リアルタイムでつながっている」感覚を生み出します。
Substackには、この感覚が薄いです。誰かがNotesを投稿しても、反応はリアルタイムというより、「数時間後・数日後にじわじわ来る」ペースです。
同期コミュニケーションが苦手な設計
設計思想の違いです。
Substackは非同期コミュニケーション(時間がずれていても成立する対話)が中心。記事を読む時間も、コメントする時間も、読者のペースで決められます。
Discordは同期コミュニケーション(同じ時間に集まって話す)が得意。ボイスチャット、リアルタイムのテキスト会話、画面共有など、「いま、ここで」のやり取りが活発に生まれます。
どちらが優れているという話ではなく、目的が違うんです。
ライブ配信はあるけど、頻繁ではない
Substackにもライブ配信機能はあります。書き手がリアルタイムで配信して、視聴者がコメントで参加する仕組みです。
でも、Discordほど頻繁には行われません。ライブ配信は「特別なイベント」として位置づけられがちで、日常的にリアルタイムでつながる感覚は、まだ薄い。
「いつでも誰かと話せる」という安心感を求めるなら、Discordの方が圧倒的に強い。これは、コミュニティ運営者として正直に書いておきたい部分です。
足りないところ②|読者同士の交流が限定的
2つ目の足りないところは、水平の交流の話です。
Discordはメンバー同士が自由に話せる場
Discordコミュニティでは、メンバー同士が直接やりとりするのが日常です。
ぼくが運営している縁紡(250名)でも、明鏡(8,300人)でも、メンバー同士がチャンネルで雑談したり、相談し合ったり、コラボしたりしています。運営者が介在しなくても、自然に交流が生まれる設計です。
これは、コミュニティが「個人の集まり」として機能するための要素です。
Substackは書き手と読者の関係が中心
Substackの構造は、これと違います。
基本的に「書き手→読者」の流れが中心で、読者同士が直接やり取りする場は限定的です。コメント欄で他の読者と話すことは可能ですが、それは書き手の記事という場の中に限られます。
「読者同士が、書き手抜きで盛り上がる」という現象は、Substackでは起きにくい。これは構造的な特性です。
水平の交流より、垂直の関係が前提
整理すると、こうなります。
- Discord:水平の交流(メンバー同士)が中心
- Substack:垂直の関係(書き手と読者)が中心
どちらが良い・悪いではなく、設計思想の違いです。
「読者同士で深い関係を作りたい」と思うなら、Substackだけでは難しい。Discordなど別のツールを併用する必要があります。
足りないところ③|「集まる」感覚が薄い
3つ目は、コミュニティの本質に関わる「集まる」感覚の話です。
Discordは「メンバーが集まる場所」というニュアンス
Discordには、「集まる場所」というニュアンスがあります。
メンバーは「コミュニティのDiscordに行く」という感覚で、サーバーを開きます。そこには他のメンバーがいて、運営者がいて、いろんな話題が同時に進行している。「場所に集まる」感覚が強いんです。
コミュニティの所属感を支える要素です。
Substackは「個別に届く手紙」というニュアンス
Substackは違います。
書き手が記事を書くと、それは読者のメール受信箱に「届く」。読者は記事を自分の場所で読む。「みんなで集まっている」というより、「個別に手紙を受け取っている」感覚に近いです。
深い対話には適していますが、集団としての一体感を作るには弱い。
設計思想の違いから来ている
両者の違いは、結局「何のための場所か」の違いです。
- Discord:メンバーが集まって、リアルタイムで交流する場所
- Substack:書き手の発信が、読者個人に深く届く手紙
Substackは「集まる場所」を目指していません。
むしろ、個別の深い体験を提供することを目指している。だから、コミュニティ的な「集まる感覚」が薄いのは、欠点ではなく特性なんです。
だからこそ、Substack×Discord併用が強い
ここまで、Substackの強みと足りないところを整理しました。
じゃあ、どうするか。
ぼくの結論は、併用が最適解です。
Substackで届ける、Discordで深める
それぞれの強みを活かすと、こんな使い分けができます。
- Substack:書き手の発信を、確実に読者に届ける
- Discord:読者同士・運営者と密な対話を生む
たとえば、有料記事を読んでくれる読者層に対して、Substackで定期的に発信しつつ、Discordで対話の場を提供する。
海外クリエイターも実践している併用パターンです。
文章は手紙、対話はコミュニティ
ぼくのイメージでは、こんな感じです。
- Substackは「手紙」:書き手が深く考えて、読者に届ける場
- Discordは「広場」:メンバーが集まって、自由に交流する場
両方あって、初めて「書き手と読者の深い関係」と「読者同士の横の繋がり」が両立します。
両方使うのが、現代の発信者の最適解
「コミュニティを持ちたい個人発信者」にとって、いま現実的な選択は、
- Substackで発信(届く力・いる感のベース・動いている感)
- Discordで深める(リアルタイム性・水平交流・集まる感覚)
両方使うことで、それぞれの足りない部分を補えるんです。
Substack一本で全部を完結させようとすると、コミュニティ的な濃密さは生まれにくい。逆に、Discord一本だと、外への発信力が弱くなる。
両方の強みを活かすのが、現代の発信者の最適解だと思います。
Substackがコミュニティとして進化する可能性
最後に、Substackがこれからどう進化していくかについても触れます。
すでに進化しつつある機能
Substackは、コミュニティ機能を継続的に追加しています。
・Chat機能(2022年〜):書き手と購読者のグループチャット
・Notes(2023年〜):SNS的な短文投稿の場
・Live配信(2024年〜):リアルタイム配信機能の拡充
・Recommendations:書き手同士のネットワーク機能
コミュニティ性を強化する方向で、着実に進化しています。
でも本質的にはニュースレタープラットフォーム
ただし、Substackが本格的にDiscordのようなコミュニティになることは、おそらくないと思います。
なぜなら、Substackのビジネスモデルは「書き手と読者のサブスクリプション」だからです。「書き手の発信が読者に届く」構造が、Substackの収益の根幹です。
維持しながら、コミュニティ機能を補完的に追加していくのが、Substackの方向性です。
無理にコミュニティ化を期待しなくていい
Substackに「Discordのようなコミュニティ」を期待しない方がいい。それは、目指している方向ではないから。
Substackは「個人発信者が、深く読者と繋がる」場所として進化していくはずです。それで十分に価値があるし、コミュニティ的な深さは、別のツールと組み合わせれば作れます。
「完璧なプラットフォーム」を一つに求めるのは、たぶん間違っていて、強みを使い分けるのが、これからの発信者の知恵です。
まとめ|両方の運営者だから言える、誠実な視点
「コミュニティ運営者から見た、Substackの強みと足りないところ」を、もう一度整理します。

Substackは万能ではない。でも、個人発信者にとって、これほど価値の高いプラットフォームは他にないのも事実です。強みと特性を理解した上で、賢く使っていきたい。
ぼくも、Substackで発信しながら、Discordでコミュニティを育てています。両方あって、初めて自分の活動が成り立つ。これが、コミュニティ運営者としての所感です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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