
こんにちは、のりです。
今日は、AIで作ったものを否定されたときの「返し方」について書きます。
題材は、ここ数日Xで話題になっていた、AIマンガの本と中指の写真の一件です。ぼくはこの騒動を見ながら、著者けいすけさんの返し方に見入っていました。
ぼく自身は、AIでLINEスタンプを作って販売しています。
「AIなんかで作ったの?」と、いつ言われてもおかしくない側です。
何が起きたのか?
AIマンガ家のけいすけさんの本、『はじめてのAIマンガの作り方』。去年の11月に出た本です。
書店に並んだこの本に、イラストレーターさんが中指を立てた写真をXに投稿しました。投稿したのは、AIで描いた絵に反対している方です(以下、投稿者さん)。
— nemuaki☂️ VGEN COMMS OPEN #oneicedlatte (@nemuaki_) September 27, 2026
ざっと流れをまとめると、こうなります。
- 中指の写真が 1,500万回以上 表示され、いいねは16万
- Xのトレンドに「AIマンガ制作本が書店配置と内容で賛否」として上がる
- 翌日、Amazonで紙の本が売り切れ
1,500万回です(驚愕)。ここまでだけなら、炎上とバズの話です。
※ 表示回数などの数字は、この記事を書いた時点のもの。
批判されていたのは、置き場所と表紙
Xで見かけたまとめ記事によると、反発が大きかったのは、この本が書店で絵の描き方の本と同じ棚に並んでいたことだったようです。
絵を学んでいる人が参考書を探している棚に、AIでマンガを作る本がある。そこに引っかかった人が多かった、という見立てです。
表紙の絵の目が崩れている、という批判もありました。
これについては同じ記事で、「出たのは去年の11月なので、当時の画像生成AIで作った内容のはず」と書かれていました。1年近く前の画像AIで作ったものを、今の目で見ている、ということですね。
▼騒動を時系列でまとめた記事はこちら
けいすけさん @kei31 のAIマンガの始め方の炎上マーケティングの一連の投稿を勝手にまとめましたw https://t.co/nBdr8feNcW
— ウミノ🤖AI×マーケティングのプロ (@umino_chibi) September 29, 2026
謝罪の形で、売り切れを報告
けいすけさんの最初の反応は、ほとんど叫びでした。
「すげぇぇぇぇーーーー!!!めっちゃバズってる!!!!!!」
そのあと、中指の写真を引用して投稿しています。続けて、Kindleならいつでも読めること、書店さんへの発注のお願い。
中指への反論はありません。
この投稿も27万回表示されて、流れが一気に変わりました。
大変申し訳ございません。ぼくのマンガが超絶バズったため(正確にはnemuakiさんの画像がバズった)、Amazonで紙の書籍が売り切れました。Kindleならいつでも読めます。
各書店の方々は、ぜひとも宝島社へ発注して増刷圧力をかけてください。よろしくお願いします。 https://t.co/Y027kPhcxz pic.twitter.com/J4zoGmPut3— けいすけ🌈『ぽちペタ』音声入力ソフト開発 (@kei31) September 28, 2026
燃えている投稿に、自分で燃料を足した
ここからのけいすけさんは、火消しとは真逆の動きをしています。
まず、自分の投稿を、自分でお金を出して広告で広げていました。
「ちゃんと自分で身銭切ってブーストしています!!!」とのこと。笑
これみてください。ちゃんと自分で身銭切ってブーストしています!!! https://t.co/6EYEtYMJJm pic.twitter.com/2ZtNf8GYol
— けいすけ🌈『ぽちペタ』音声入力ソフト開発 (@kei31) September 28, 2026
さらに、フォロワーにこんなお願いもしています。
フォロワーの皆様にお願いがあります。書店でぼくの本を見かけた折には、引リツのように中指突き立てるかピースサインで是非写真をとってSNSに投稿をお願いします。全力で拡散します。 https://t.co/Y027kPhcxz pic.twitter.com/qbHATfRgEZ
— けいすけ🌈『ぽちペタ』音声入力ソフト開発 (@kei31) September 28, 2026
この投稿も6万回以上表示されていました。投稿者さんの名前を出して、お礼も言い続けています。
本の中身をけなす投稿には「中身すっからかんのマンガを書くことに関しては天才です」と乗っかり、最後はこの騒動そのものを4ページのマンガにしていました。
nemuakiさんの写真がバズったので、その気持ちをマンガにしました。 https://t.co/Y027kPhcxz pic.twitter.com/EshjZGkSgD
— けいすけ🌈『ぽちペタ』音声入力ソフト開発 (@kei31) September 28, 2026
全部がきれいに収まったわけではありません
「中指かピースで写真を」のお願いには、続きがあります。
投稿者さんの元の投稿に、「中指を立てるポーズは、この投稿が広まったことで著者が推奨する行為になりました」というコミュニティノートの案が付きました。
評価待ちで、実際には表示されていません。それでも画面のスクショは「こんなノート初めて見た」と回ってきて、ぼくも笑いました。笑
コミュニティノートの内容が意味不明だと苦情を受けました。大変申し訳ございません🙏 https://t.co/z5UycBvo0j
— けいすけ🌈『ぽちペタ』音声入力ソフト開発 (@kei31) September 29, 2026
中指を立てた相手を、ごはんに誘っていた
さらに驚いたのは、ここから。やりとりの途中で、投稿者さんが「今は日本にいます」とのこと。
けいすけさんの返事は、
日本にいるなら、今度一緒に鳥貴族にいって焼き鳥たべましょう!!! https://t.co/9Z2soHKV69
— けいすけ🌈『ぽちペタ』音声入力ソフト開発 (@kei31) September 29, 2026
鳥貴族は断られたようで、くら寿司、スシローと候補が変わっていきます。
「本気です!」とも書いていて、この記事を書いている間に「くら寿司に行くことになりました!」という投稿まで。笑
そして翌朝、投稿者さんがこう投稿しています。
まさかこんなにツイートが伸びるとは思わなかった!!
自分が楽しむためだけに投稿したものだったので、びっくりしています。
たくさんのリポストやいいね、ありがとうございます!
こんなにたくさんの人がAI「アート」に反対しているんだと思うと、なんだか嬉しいです。… https://t.co/3A91NFpawc— nemuaki☂️ VGEN COMMS OPEN #oneicedlatte (@nemuaki_) September 28, 2026
中指を立てた本人から、AIを使っている話が出てきたわけです。
けいすけさんの返し方がそうさせたのか分かりませんが、言い返していたら、この投稿は出てこなかっただろうな、とは思います。
炎上した本が、なぜ売れたのか
売り切れについても、Xで面白い見方を2つ見かけました。
1つめは、この本が10ヶ月たっても書店に並んでいた、という点です。本はだいたい最初の1ヶ月で売れ行きが決まり、売れなければ数ヶ月で店頭から消えるそうです。
去年の11月に出た本が、まだ棚にある。つまり中指の写真は、「今も書店で売れ続けている」ことの証拠写真にもなっていた、という見方です。笑
反AIが騒いだ事で逆に宣伝になったの面白すぎる。
件の本は昨年11月に発売されたもの。
それが今になって劇的に在庫が動くの「反さん宣伝乙」でしかない。
書籍ってだいたい最初の1ヶ月くらいで運命が決まって、売れなければ2ヶ月~半年で店頭から消える。… https://t.co/UbJ5AdIyWg— ろうりん/魔狼リン (@rolling_marou) September 28, 2026
2つめは、先ほどのまとめ記事にあった話です。
リプライで批判している人たちは、もともとこの本を買いません。でも1,500万回も表示されれば、その中には「そんな本があるのか」と調べて買う人もいます。
よく言われる「嫌う人が1割、好きな人が2割、どちらでもない人が7割」という話を引いて、批判で広まっても、好意的な2割に届けば結果は出る、と書かれていました。
「AIなんかで作ったの?」と言われたら
AIを仕事に使い始めると、いつか言われる場面が来ます。
- クライアントさんに出した資料
- コミュニティの投稿
- 家族との会話
ここで言われるのは、たぶん中指ほど強い否定ではありません。「AIなんかで作ったの?」くらいの、少しトゲのある一言です。
ぼくもスタンプのことで、いつそう言われてもおかしくないので、けいすけさんの返し方を思い出すようにします。
けいすけさんがやったのは、言い返さずに相手の名前を出して、お礼を言うことでした。
けいすけさんほどうまく返せる自信は、ぼくにはありませんが。汗
あなたなら、「AIなんかで作ったの?」と言われたとき、なんて返しますか?
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